2つの生前契約を活用しましょう

エンディングノートを別の言葉で言い換えると「もしも(寝たきり・認知症・終末期・死亡時)」のときの希望を綴ったライフプランノートといえますが、その「もしも(寝たきり・認知症・終末期・死亡時)」のときに誰がそのノートの存在を知り、誰がその書かれた内容を実現してくれるのでしょうか?

「信頼できる子供や友人に伝えているので」という方が多いかもしれませんが、エンディングノートには何ら法的な効力がありませんので、仮に、子供や友人が、エンディングノートに書かれた内容を実現してあげたいと思ったとしても、その内容が、真実なのかどうかを事情の知らない第三者に証明できません。

例えば「自宅を子供3人の内1人にあげたい」と記していたとしても、法的効力のある遺言がなければ、死亡と同時に法定相続で1/3づつの共有状態となり、他2人の子供の協力なくしては、名義書き換えもできないのが現実です。

せっかく書いたエンディングノート。「もしも」のときに備えて書いた内容を確実に実現したいのであれば、本サイトで提案する2つの生前契約の活用が有効です。

一つ目は「移行型任意後見契約」二つ目は「遺言公正証書」です。(以下この2つの契約を総称して「2つの生前契約」といいます)

この2つの生前契約を活用し、エンディングノートに書いた希望を実現するために一番重要なことは、「信頼できる人(=代理人)を予め選んでおき、その人と想い(情報)を共有し、実現させる為の権限を与えておく」ことに尽きます。

つまり、寝たきりになったとき、認知症等になったとき、死亡後の事務や財産の引継ぎに備え、希望を実現してくれる代理人を、心身機能低下のステージ毎に応じて予め選んでおき、それを法的効力ある書面で遺しておくことが重要なポイントです。

注)1
本サイトで提案する移行型任意後見契約には、
①財産管理委任契約
②任意後見契約(認知症等により判断能力低下後、発効)
③死後事務委任契約が盛り込まれています。
実務ではこれら①から③の契約を1通の公正証書にまとめて作成することが一般的なことから、別途作成する遺言公正証書と併せて、2つの生前契約としています。
①~③の契約をまとめて表現するときは「移行型任意後見契約」、それぞれの契約を指す場合は「財産管理委任契約」「任意後見契約」「死後事務委任契約」と表現しています。

注)2
以下、本サイトでは、エンディングノートに書いた希望を実現させたい人を「本人」、その実現をサポートする人を「代理人」と表現しています。

※当事務所オリジナル移行型任意後見契約と遺言文例(7パターン)も掲載しています。