2つの生前契約締結後の流れと代理人の役割

エンディングノートに書いた希望を実現するために一番重要なことは、「信頼できる人(=代理人)を予め選んでおきその人と想い(情報)を共有し、実現の為の権限を与えておく」ことです。

その代理人の役割ですが、判断能力の有無により発効している契約が異なることから、ここでは 以下の4段階のステージ別に、備える契約の種類、代理人の名称と役割を整理しました。代理人の名称は、①任意代理人→②任意後見人→③死後事務受任者→④遺言執行人と変化しますが、1人の代理人でも構いませんし、複数の代理人でも構いません。

  • ① 任意代理人:元気なとき又は判断能力はしっかりしているが身体機能が低下したときの代理人
  • ② 任意後見人:認知症等で判断能力が低下したときの代理人
  • ③ 死後事務受任者:死亡直後の事務を委任する代理人
  • ④ 遺言執行人:死後の財産の引き継ぎを実現してくれる代理人

一般的には、上記①~③の代理人は同一人(相続人の一人か甥姪又は専門職)である場合が多いですが、死後の財産の引き継ぎを託す④遺言執行人については、相続人全員でのスムーズな手続きが見込めないときは、弁護士、司法書士等の専門職を遺言執行人に選んでおく方が、より希望は、実現しやすくなるといえます。

注)1
本サイトで提案する移行型任意後見契約には、
①財産管理委任契約
②任意後見契約(認知症等により判断能力低下後、発効)
③死後事務委任契約が盛り込まれています。
実務ではこれら①から③の契約を1通の公正証書にまとめて作成することが一般的なことから、別途作成する遺言公正証書と併せて、2つの生前契約としています。
①~③の契約をまとめて表現するときは「移行型任意後見契約」、それぞれの契約を指す場合は「財産管理委任契約」「任意後見契約」「死後事務委任契約」と表現しています。

注)2
以下、本サイトでは、エンディングノートに書いた希望を実現させたい人を「本人」、その実現をサポートする人を「代理人」と表現しています。

※当事務所オリジナル移行型任意後見契約と遺言文例(7パターン)も掲載しています。