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第2章「生前の」希望を叶える移行型任意後見契約
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同性パートナーシップ証明に法的効果を持たせる任意後見契約

(1)同性パートナーシップ証明と任意後見契約

2015年4月1日東京都渋谷区の条例で「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例(通称:同性パートナーシップ条例)が、施行されました。自治体による日本初の同性間のパートナーシップを認める条例として注目されています。

制定の趣旨は、同性パートナーの以下の様な不利益の解消を目的としています。

同性パートナーシップ証明制度=同性パートナーを公的に証明

「同性パートナー間においては、その関係を示す住民票の記載方法が用意されておらず、行政による公的証明が存在しないため、パートナーが入院した際に、同性パートナーは家族ではないとして病院に面会を断られたり、不動産賃貸借契約の締結を、不当に断られたりする不利益を被ることがある。」(日本司法書士会連合会会長声明(2015年04月22日)より一部引用)

東京都渋谷区に続き2018年4月現在、同性パートナーシップ証明制度を導入している自治体は、東京都世田谷区、三重県伊賀市、兵庫県宝塚市、沖縄県那覇市、北海道札幌市、福岡県福岡市の計7自治体となっています。(大阪府大阪市も2018年9月導入予定)

各自治体により証明書発行の要件は異なりますが、渋谷区の場合、同性パートナー相互での任意後見契約の締結がパートナー証明発行の条件となっていることは注目に値します。なぜなら公的なパートナー証明といえどもパートナー証明だけでは何ら法的な効果(代理権や相続権他)は発生せず、通用する地域も当該自治体にとどまる場合が多い為です。
渋谷区のように(他の自治体は発行要件となっていない)同性パートナーシップ証明に加えて任意後見契約も同時に締結しておけば、渋谷区のみではなくその効果は日本全国に及ことになります。

[渋谷区の場合]パートナーシップ証明制度←任意後見契約 同性公的な証明に加え法的な効果も!

※任意後見契約とは
元気な間に「信頼できる代理人(パートナー)」を選び「その代理人(パートナー)と想い(希望や情報)を共有し」及び「その権限の範囲」を公正証書で決めておく保険のような契約です。公正証書で作成することが法律で義務付けられています。

同性パートナーシップ証明が導入されている自治体、されていない自治体関係なく同性パートナー相互間で安心のライフプランを設計する為には、法的効果のある2つの生前契約(任意後見契約と遺言)での備えが有効といえます。

なぜなら、同性パートナーシップ証明に加えてパートナーと互いに任意後見契約を締結しておくことで自分の希望を叶えながらパートナーの「もしもの事態(判断能力低下・入院・介護他)にも備えることができ、更に同性パートナーに遺したい財産があれば遺言公正証書で遺贈する旨を表明しておけば財産承継の希望も叶えることができるからです。

(2)パートナーシップ証明を利用するメリット

パートナーシップ証明には婚姻届のような法的効果はありませんが、公的なパートナーシップ証明を民間会社等へ提出することで生命保険契約で同性パートナーを保険金の受取人に指定することができたり(これまでの受取人指定は一定範囲の親族のみ)、携帯電話会社の家族割が適用になったりと、適用対象となるサービスは拡大傾向にあります。

※具体的なメリット(注:自治体・会社により異なりますので随時ご確認ください)

  • 生命保険契約の死亡保険金の受取人として認めてくれる会社もある
  • 携帯電話会社の家族割の適用が受けられる会社もある
  • 制度導入自治体の学校教職員については、結婚祝い金と同額の祝い金が給付される場合がある
  • 航空会社(ANA・JAL)では、マイレージも家族として合算できる
  • クレジットカード会社の家族カードを発行してくれる会社もある
  • 制度導入自治体の公営住宅の申し込みがパートナー同士で可能になる場合もある。

(3)大阪市のパートナー証明(2018年7月9日スタート)

大阪市でもパートナーシップ宣誓証明制度がスタートしました。渋谷区の様に任意後見契約の相互締結をパートナー証明書発行の要件としていませんが、前述の通り法的効果を持たせるためには、同時に任意後見契約の締結をしておくべきといえます。

以下、大阪市パートナーシップ証明発行までの要件、宣誓の流れ、事前に準備が必要な書類を記載しています。

【宣誓できる人の要件】

  • 1.両当事者がともに成年に達していること。
  • 2.当事者の少なくともいずれか一方が市内に住所を有し、又は市内への転入を予定していること。
  • 3.両当事者がともに現に婚姻をしておらず、かつ、現に当該パートナーシップ関係の相手方以外の者とパートナーシップ関係にないこと。
  • 4.当事者同士が民法734条及び735条の規定により婚姻をすることができないとされている者同士の関係にないこと。

【宣誓の流れ】

宣誓を希望する場合は、希望日の3開庁日前までに、以下のいずれかの方法で大阪市人権啓発・相談センターへ訪問日時を予約しパートナーシップ宣誓書・確認書・提出書類を、提出する方法によります。

予約受付(大阪市人権啓発・相談センター)

■ 平日午前9時から午後5時30分
※土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日から1月3日)を除く

  • 1.電話:06-6532-7631
  • 2.ファックス:06-6532-7640
  • 3.メール:ca-partnership@city.osaka.lg.jp
    ※メール送信時には、希望日・時間、宣誓書に記載する双方の氏名と希望の様式をご記載ください。

〔パートナーシップ宣誓書・宣誓書受領証の見本〕


事前に準備が必要な書類
①大阪市へ提出する書類として

次に掲げる書類のうち、1.2についてはすべての方。3については該当される方。

  • 1  住民票の写し又は住民票記載事項証明書
  • 2 独身証明書、戸籍個人事項証明書等、現に婚姻をしていないことを証明する書類
  • 3 両当事者がともに市内に住所を有していないときは、当事者の少なくともいずれか 一方が市内への転入を予定していることがわかる資料
②提示だけでよい書類

次に掲げる書類のうち、1から4については1点、5については2点。

  • 1 個人番号カード
  • 2 旅券
  • 3 運転免許証
  • 4 その他官公署が発行した免許証、許可証又は登録証明書等であって、本人の顔写真が貼付されたもの。
  • 5 その他前1~4号に準ずるものとして市長が相当と認める書類

参考)大阪市パートナーシップの宣誓の証明に関する要綱

(趣旨)

第1条 この要綱は、大阪市人権尊重の社会づくり条例(平成12年大阪市条例第25号)の趣旨に基づき、性的マイノリティがその人権を尊重され、自己実現を目指して生きがいのある人生を創造することができる自由、平等で公正な社会の実現に向けて、パートナーシップ関係にある旨の宣誓の証明に関し必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この要綱において「性的マイノリティ」とは、性的指向が必ずしも異性愛のみではない者又は性自認が出生時の性と異なる者をいう。

2 この要綱において「パートナーシップ関係」とは、互いを人生のパートナーとし、日常の生活において相互に協力し合うことを約した二者間の関係であって、その一方又は双方が性的マイノリティであるものをいう。

(パートナーシップの宣誓の証明)

第3条 次の各号のいずれにも該当する両当事者が、次条の定めるところにより、市長に対してパートナーシップ関係にある旨の宣誓(以下「パートナーシップの宣誓」という。)をしたときは、第5条の定めるところにより、その旨を証明する。

  • ⑴ 両当事者がともに成年に達していること。
  • ⑵ 当事者の少なくともいずれか一方が市内に住所を有し、又は市内への転入を予定していること。
  • ⑶ 両当事者がともに現に婚姻をしておらず、かつ、現に当該パートナーシップ関係の相手方以外の者とパートナーシップ関係にないこと。
  • ⑷ 当事者同士が民法(明治29年法律第89号)第734条及び第735条の規定により婚姻をすることができないとされている者同士の関係にないこと。
(パートナーシップの宣誓の方法)

第4条 パートナーシップの宣誓は、その両当事者が所定の事項をそれぞれ自書したパートナーシップ宣誓書(様式第1号)(以下「宣誓書」という。)の正本1通及び副本2通に、次に掲げる書類を添付して、これを市長に提出して行うものとする。

  • ⑴ 住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)第12条第1項に規定する住民票の写し又は住民票記載事項証明書
  • ⑵ 両当事者がともに市内に住所を有していないときは、当事者の少なくともいずれか一方が市内への転入を予定していることを疎明するに足りる資料
  • ⑶ 現に婚姻をしていないことを証明する書類

2 パートナーシップの宣誓をしようとする当事者の一方又は双方が宣誓書に自書することができないときは、本市職員及び両当事者の立会いの下で当該当事者以外の者に代筆させることができるものとする。

3 パートナーシップの宣誓をしようとする両当事者には、宣誓書を提出する時に、それぞれ本人であることを明らかにするため、次に掲げる書類のいずれかの提示を求めるものとする。

  • ⑴ 個人番号カード
  • ⑵ 旅券
  • ⑶ 運転免許証
  • ⑷ その他官公署が発行した免許証、許可証又は登録証明書等であって、本人の顔写真が貼付されたもの。
  • ⑸ その他前各号に準ずるものとして市長が相当と認める書類
(パートナーシップの宣誓の証明の方法)

第5条 パートナーシップの宣誓の証明は、当該宣誓をした当事者双方に対し、パートナーシップ宣誓書受領証(様式第2号)(以下「受領証」という。)を交付して行う。

2 パートナーシップの宣誓をした当事者双方には、受領証のほか、受領印を押印した宣誓書の副本を交付する。

3 前項の規定にかかわらず、両当事者が希望するときは、宣誓書の副本に代えて受領印を押印した宣誓書の正本の写しを交付し、又は両当事者に交付する宣誓書の副本を1通とすることができる。この場合においては、前条第1項の規定にかかわらず、宣誓書の副本の提出は要せず、又は提出する副本は1通とする。

(通称の使用)

第6条 パートナーシップの宣誓をしようとする当事者に氏名を使用し難い特別の事情があると認めるときは、宣誓書及び受領証に氏名に代えて通称(氏名以外の呼称であって社会生活上通用していると認められるものをいう。)を使用することができるものとする。ただし、宣誓書の正本の裏面部分については、この限りでない。

(受領証の再交付)

第7条 受領証の交付を受けた者が、当該受領証の紛失、毀損等の事情により受領証の再交付を希望するときは、受領証を再交付する。

2 受領証の再交付を受けようとする者は、パートナーシップ宣誓書受領証再交付申請書(様式第3号)を市長に提出しなければならない。

(受領証の返還)

第8条 受領証の交付を受けた者は、次の各号のいずれかに該当するときは、パートナーシップ宣誓書受領証返還届(様式第4号)に受領証を添付して、これを市長に提出しなければならない。

  • ⑴ 当事者の意思によりパートナーシップ関係が解消されたとき。
  • ⑵ 当事者の一方が死亡したとき。
  • ⑶ 両当事者がともに市内に住所を有しなくなったとき又は当事者の少なくともいずれか一方が第3条第3号に該当しなくなったとき。
  • ⑷ 宣誓書を提出した時点において両当事者が第3条各号に掲げる要件に該当していなかったことが判明したとき。
(事務の所管及び事前調整)

第9条 パートナーシップの宣誓の証明に関する事務は、大阪市人権啓発・相談センターにおいて行う。

2 パートナーシップの宣誓をしようとする当事者は、あらかじめ宣誓をする日時等について本市と調整するものとする。

(本市施策の推進に当たっての配慮)

第10条 本市は、施策の推進に当たっては、この要綱の趣旨を尊重し、パートナーシップ関係にある当事者に十分に配慮するものとする。

(施行の細則)

第11条 この要綱の施行に関し必要な事項は、市民局理事が定める。

附 則

1 この要綱は、平成30年7月9日から施行する。

2 第9条第2項の規定による調整その他パートナーシップの宣誓のために必要な行為は、この要綱の施行前においても行うことができる。

注)1
本サイトで提案する移行型任意後見契約には、
①財産管理委任契約
②任意後見契約(認知症等により判断能力低下後、発効)
③死後事務委任契約が盛り込まれています。
実務ではこれら①から③の契約を1通の公正証書にまとめて作成することが一般的なことから、別途作成する遺言公正証書と併せて、2つの生前契約としています。
①~③の契約をまとめて表現するときは「移行型任意後見契約」、それぞれの契約を指す場合は「財産管理委任契約」「任意後見契約」「死後事務委任契約」と表現しています。

注)2
以下、本サイトでは、エンディングノートに書いた希望を実現させたい人を「本人」、その実現をサポートする人を「代理人」と表現しています。

書名:実現させよう!終活エンディングノート,著者:鈴木 正哉
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